孤独な犬
ある通りに、鎖でつながれた孤独なワンちゃんがいるんですよ。
ちょっと広い砂利の敷地に犬小屋があって、雨の日も風の日も繋がれています。
その子、思いっきり悲しい目をしてるんです。
卑屈というより、淋しい、淋しいって叫んでいるような目。
きっと人を信じてなければ小屋に閉じこもっていると思いますから。
その子は人の通りの近い場所にうずくまって、砂利の上なのに本当に小さくうずくまって道ゆく人を見てるんです。
でも、あるとき小学生の男の子たちがいじめてたんですよね。
だから怖くて吠える。
人が近づくと怖い。怖いから吠える。
それでも人恋しい。悲しい子です。
そして――。
先日のことです。
いや~~、驚きました。
通りすがりの(多分、いつもそうしてると思うのですが)作業着を着たお兄さんが、その子のお腹を撫でてたんですっ!!
あの警戒心の強い子が、お腹を見せるなんて!気持ちよく目を細めて撫でられていました。
ウ~ン、このお兄さんはきっと数分で去ってゆくと思うんですが、
この一瞬を毎日毎日、待ってるんでしょうね。
ちょっと悲しいけど、ホットしました。
ああ、飼い主さん、もっと愛情あげてください!(´Д`ヽ)